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by dummy run

「デコトラ野郎大集合!!~トラックドライバーが創り上げた八戸カルチャー! @ はっち」トークイベントメモ

八戸には「はっち」というミュージアムがあるんですけど、そこで面白げなイベントを発見。その名も「デコトラ野郎大集合!!~トラックドライバーが創り上げた八戸カルチャー!」 。タイトルからいい感じに狂ってたので行って来ました。

 

前提:イベント「デコトラヨイサー」全体の流れ

八戸でアートイベントをということで、スー・ハイドゥ(Sue Hajdu/オーストラリア出身、ベトナム在住)さんを招き入れる。八戸らしさとは?ということを考えていろいろ調べていたらデコトラというものが八戸発祥だということがわかった。デコトラの感じがベトナムの祭り衣装に近く、ベトナムの祭り自体も獅子舞のようなものなので、デコトラと獅子舞を結びつけて、デコトラ頭を身につけてデコトラ舞を踊りましょう、というのがイベント「デコトラヨイサー」。
デコトラをいろいろ調べていたらデコトラ自体の面白さを発見し、今回のトークイベントにつながった、ということらしいです。

出演者

スー・ハイドゥさん(アーティスト)
夏坂照夫さん(デコトラ創始者・株式会社天照運輸代表取締役)
峯山伸也さん(みちのく・みねやんの店 代表)

※ちなみにデコトラの創始については諸説あってはっきりしていない

イベント内容

トラックのエキゾーストノイズにのせてスーさん登場。

デコトラヨイサーについて

スー・ハイドゥさん:

八戸は郷土芸能が多く、獅子舞、虎舞もいろいろある街。
いろいろ調べてみたらデコトラの発祥が八戸だとわかって、これをメインにすることにした。

デコトラと獅子舞がマッチした。デコトラを獅子舞のように作って中に入って踊ろう。
私(=スーさん)のアートテーマはバラバラだけど、場を大事にすることを重要視する。

なんでデコトラに惹かれた?

・最初は写真やYouTubeで見たが、とにかくすごくないですか?デカくて恐ろしくて美しい。パワーを感じる、ある意味エロチック
・実物見てたらそんなこわくなくなった

・よく「美しい」と「怖い」をテーマにアートを作っていた。

ベトナムではアートは検閲される。
ベトナムの獅子舞の獅子頭。獅子舞っぽいのをデコトラとつなげられるなと思った。何気に共通点がある。デコトラのお祭りがあってもよくない?

デコトラ舞の衣装について

デコトラの煌びやかな感じ → スパンコール
ベトナムの市場ではスパンコールのきらびやかな布がたくさん売っている

デコトラをやるならパンクだろう。
パンクはファッションだけじゃなくて反体制的な哲学。デコトラも反体制的ということではパンクにつながる。
・パンクは貧乏でありあわせのものを貼り合わせたりくっつけたりする。日本のドンジャ(夜着)なんかもいろいろなものを貼りあわせて造っている

 八戸、デコトラ、パンク、ドンジャ、針仕事、獅子舞、スパンコール
→ すべてが繋がって「デコトラヨイサー!」

 

デコトラとは(→Wikipedia

夏坂照夫さん・峯山伸也さん:

バンパーの下についてるのが、いわゆる「行灯」。もちろん板金屋に頼んで手作り。これをつけて走った。屋号を下に持って行ったのがはしり。トラックのホイールキャップをつけたのは夏坂さんが初。いいな、と思ったものをトラックに飾りつけた。家具についていた鷲をつけたり。
内装はスナックを参考にした。

電飾のスイッチは分散してある。

最初は昭和45年~50年くらい。新車のトラックは800万ー900万。それに対していろいろデコるが、「全部でいくらしたんですか?」と訊かれるとムカついた。デコトラは値段じゃない。

時は八戸サバ最盛期
あきらかに過積載で運搬してたが、そうしないと倉庫が空かないくらいだった。当時はまだ冷凍車が無く、また高速道路も整備されていない、近道・山道は砂利道が多かった。それでもとにかく早くたくさんの魚を各地に届けなければならなかった。
ただ、早くたくさん東京に届けられる運転手にはたくさん託されたためそれなりに儲かった。
当時、八戸~東京は16時間、今なら10時間。

八戸のトラックはヤバイと言われていた。

九州の港に行ったら村長に珍しがられてご馳走された。
当時はフォークリフトが無い。全部荷物は手で積み下ろし。月に400トンくらい手で積み下ろししていた。

屋根にも「大量満載」の文字と鯛の絵。都会でビルの上や高速の橋の上からでも見えるように。
上の写真は雑誌に投稿された自分のデコトラだが、助手席に娘が載っている。

運転席の上の部分にはシートやロープを保管しておく場所があったが、その後必要なくなった。
ただその置き場自体をなくさずにデコりはじめた。

いろんな装飾品をつけてはよそのトラックにマネされて拡がってった。
ただマネをするだけではなく、ドライバーや改造を施す人の趣味やセンスでアレンジされていく。
ホイールに電飾を施してるトラックがサービスエリアに停まっていて、どうやっているのか潜って調べたことがある。

映画「トラック野郎」について

夏坂さんのトラックは8作目「一番星北に帰る」に出てる。
1作目は中古。売れたから次から新車
8作目に出たのは派手すぎて主役を食うため、序々に派手になっていったところで登場。


夏坂さんと峯山さんの出会い

スタンドでトラックを磨いていたら話しかけられた。
夏坂:「おい兄ちゃん、この車のシャーシ舐めれるか?」
峯山:「おれの車だもん、当たり前じゃん」
夏坂:「おう、それでこそトラック野郎だ」
当時は夏坂さんのことを知らなかったが、今考えるとそれが出会い。

 

 

遠く離れた暗いところを走っていると寂しい気持ちになるが、そのときに電飾つけて走っていると対向のトラックからクラクション鳴らされて少し元気をわけてもらえる。

ちなみにこのデコトラたちが停まっているのは、市営「はっち」の裏の駐車場。市公認なんですよ。こういうのは好きよ。