Icecream Headache

by dummy run

藤沢町の埴輪たち

岩手県一関市藤沢町は焼き物の盛んな町。焼き物と言っても多種多様だけど、この町の焼き物は縄文時代の野焼きで、それを現代に再現しようと40年以上前から取り組んでいたりする。年に1回「藤沢野焼祭」という祭りも開かれており、町内外から多くの参加者が来ているようだ。

そのため、町を歩くといたるところに焼き物が置かれている。大事にされているというよりも少し雑な扱いのような気もするが、むしろあって当たり前の存在になっているからなのかもしれない。風化の具合も自然で町並みに溶け込んでいる。

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岡山良一という芸術家

岡山良一という芸術家を知りました。

地元の昭和30年~40年代の雑誌広告が気になっていてました。当時地元で発行されていた地元誌「北方春秋」をたまに古本屋で見つけては買い、現代の広告とは全く違って写真があまり使われておらずイラストが中心。そのかわいらしさやおしゃれさ、アバンギャルドさの数々に一人うっとりしていました。

ある時、古本屋で「北方春秋」を10冊くらい大人買いした際、店主に「この広告絵が好きなんですよ」と何気なく伝えたところ、それは岡山良一という画家によるものだと教えていただきました。

私は寡聞にして存じ上げなかったのですが、岡山良一は八戸のモダンアート画家。「北方春秋」では表紙、挿絵、広告とあらゆるデザインを手掛けていました。お菓子屋さんの広告はかわいらしく、ファッション系のお店は都会的なデザイン、ときにはヘタウマだったり、ときにはなんだかよく分からないアバンギャルド過ぎなものまで、様々な画風で雑誌を彩り、アートに疎い自分にとっては教えていただくまで一人の手によるものだとは思っていませんでした。

岡山良一は、その後建築の道へと進みます。独学で一級建築士の資格を取り八戸市内に事務所を構え、数々の建築物を残していますが、1997年に他界されました。

彼のことを知ったこのタイミングでたまたま岡山良一展が開催されており、どういうシンクロニシティだ、とゾクゾクしながら会場の「アトリエOKA」を訪ねました。アトリエOKAは故・岡山良一の奥様のお店でギャラリーの他、洋服や雑貨の販売もしています。 

2階のギャラリーには生前描かれた絵画と、手掛けてきた建築物の模型がずらり。建築物のスケッチには北方春秋でのイラストに近いタッチを感じたり、かなり面白い内容(建築寄りでしたが)。興味深く眺めていると岡山さんの奥様がギャラリーに上がっていらして、いろいろとお話を伺うことができ嬉しかったです。

 「北方春秋」からいくつか彼の作品を引用、紹介させてください。

子鹿屋

かつて八戸市中央通りにあった菓子屋兼喫茶「子鹿屋」の広告(現在の味ビルがある場所らしい。喫茶はいわとくビルに移転、現在はどちらも廃業)。キャッチフレーズの傾向から子供ウケを狙った商品(洋菓子とか)が多かったのかもしれない。

 

東屋(靴店)

 これ、すごすぎませんか。青銀のとなり、ファミリーマートらへんにあった靴屋「東屋」の広告。ハイセンスな雰囲気の女性の周囲を「靴」という漢字が舞うというシュールなんだけど大好きな作品。

上は同じ東靴店の広告ですが、毛色がちょっと違います。オシャレというよりもファミリー向けというか、取り扱っている商品の幅を謳ってるような感じ。

 

バキュームカー・汲み取り施設

市内の衛生会社を取材した記事の挿絵。平面に描いてますが仕組みは理解できます。

 

女性画

岡山さんの描く人物画は静止しているというよりも動作の途中というか、何かしらの動きがあるように思えます。奥様曰く「しゅっとした感じの絵が多いから、そういうのが好みだったのかしらね」とのこと。

最後の「みまん」はその後青森~岩手に展開するユニバースです。

 

八戸工場大学 アートプロジェクト「虹色の狼煙」

八戸工場大学のイベント「虹色の狼煙」は、

■アートイベント「虹色の狼煙」

煙突の煙(水蒸気)に、工場への想いをこめた色の光でライトアップします。工場の煙を、工場の「息」と見立て、“工場さん”が自分のこと、まちのことを語るメッセージを、工場の外壁に投影します。

 というイベントで、まぁ要は「工場撮りに来いよ」的なイベントだったんですが、この日の日本は大寒波襲来中。八戸地方は晴れてはいたものの、尋常じゃない寒さでカメラを持つ手、シャッターを押す指が寒さで動きやしねぇ。でもそんな状態だからこそ、非常に澄んだ空気、ゆらめく煙がとてもきれいでした。